旅行記

中国・深せんへ

 

今回一緒に旅行したのはコピーライターの岸田さん。二人では初めての旅行でしたが、色々と話せて、違った面も伺えて短い旅でしたが、とても楽しかったです。仕事一筋というかバリバリ現役のコピーライター。今回はそんな彼女に旅行記をお願いしました。
私もたのしみです。

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中国・深せんへ
今回は同行させていただいた私・ゆずが佐藤さんの代筆をつとめます。
佐藤さんファンのみなさま、お許しくださいませ。

海外へは鼻から入るのがクセのようで…

日本と同じように蒸し暑い中、降り立った深せんの空港からホテルへのタクシーで、開け放たれた窓から漂って来たのは、炭火の香りでした。どこか懐かしく、バリでもよく出会った、アジアの香り。夕餉を囲むより少し遅い時間。それは、道路の両脇に立ち並ぶ高層マンションとは裏腹な香りでもありました。
関西国際空港から深せんへの直行便はありません。中国の福州で一旦飛行機を降り、入国審査を経て国内線として深せんに向かいます。タクシーは「なぜそんなに急ぐ?」と思うほど加速しながら、宿泊予定のシャングリラホテルに到着。タクシーにまつわる話が今回はいろいろありました。

翌日は雑貨を求めて『芸展中心』へ。

ここに行くためのタクシーでひと波乱。ドライバーはメーターを動かさず、そこまで40元で行くと言い張るのです。1円がおよそ16元でしたから40元とは640円。はっきりわからないものの、日本人と見てふっかけていることは明らか。あまりの強引さに「no thank you!」「降りよう!」と、タクシーが止まった隙にドアをあける佐藤さんに、オタオタしていた私はただ従うだけ。佐藤さんって「カッコいい!」(これに懲りて以後はタクシーに乗る度、ひたすら「meter please!」と連呼した私たちなのです。)
何とか他のタクシーを拾い向かった『芸展中心』は日本で言う問屋のビルでしょうか。食器、アートフラワー、フレーム、リネン類、そして家具、とさまざまなものを売る店で埋め尽くされています。驚かされたのは、一つひとつのものの細やかな仕上がり。かつて中国メイドとして語られた品質とは明らかに異なるものがそこにはありました。しかも安い!インテリアグッズの店でピューターのミスピギーを発見。サングラスをかけてヒールを履いた姿に魅入られ、買ってしまいました。

お店の店員さんと


傘を手放せなかった深せん。この日の朝は土砂降りでした!

ホテルに戻り、ランチはホテル内の『春宮』で飲茶。美味しくはあったのですが、とてもとても待たされたことの方が印象的で、残念。折しもこれを書いている日に、日本で起きた毒入り餃子の製造元である天洋食品の餃子による食中毒が、地元の中国でも起きていたことが発覚。食に関しては手放しで安心という感じではないかな。

↑黄ニラとエビの餃子、肉団子入りのお粥etc

 


↑設計師(と中国では呼ぶようです)の張志軍さんと佐藤さん。
後ろの洋服もすべて大上海洋服公司製

もうひとつのお目当て『大上海洋服公司』へ。

そもそも、深せん行きのきっかけとなったのが、「オーダーメイドが安くできるの」という佐藤さんのことばでした。すでに何着かオーダーされて、仕上がりにも満足しているとのこと。で、「作りに行きたい!」となった訳です。その店が『大上海洋服公司』。シャングリラホテルのそばにある大きなショッピングセンター『羅湖商場』の一角にある小さな店で、中国語しか話せないご主人と、英語が堪能で、働き者の奥さんとの二人三脚。私は始めてということもあってお気に入りのパンツを持ち込み、そのデザインで、生地を指定して作ってもらったのですが、価格にビックリ。140元(約2,240円 生地を持ち込めばもっと安くなるそうです!)しかも、でき上がりは明日の夜、つまり日本に持って帰られるのです。もちろん仕上がりもていねいでした。佐藤さんはお友だちの分も合わせ、まるで行商人かと見まがうほどの量でしたので、さすがにそうは行きませんでしたが、後日お会いした時に着てらっしゃったのを見ると、素敵にでき上がっていました。

 

夕ご飯はぜひ本場の味を試したかった北京ダックです。日本在住の中国人の人が、地元の人で賑わっている店は安心だよと言っていましたが、まさに大賑わい。これも羅湖商場の中にあるのですが、とにかく広い羅湖商場、一人でぶらぶらしている時、方向オンチの私はついに迷ってしまいました。で、店の前に座っている女の子たちに軒並み尋ねてみると、みんなけっこういい加減。携帯電話に夢中で、指差す方向はバラバラなのでした。

↑カリカリの皮とジューシーなお肉、そしてもちもちのヤーピンが絶妙のハーモニー


洗練されたカフェ『静願茶館』、そして素敵なオーナーとの出会い。

三日目に出かけた問屋ビル、それ自体はまだ入居のテナントも少なく期待はずれでしたが、仏具や茶器を扱うショップでのこと。ティーメーカーを購入することになり(シュークル ティレで扱ってますよ~)英語を話せるLEONA CHENさんにいろいろ聞いたところ、その店は茶館も経営しているとのこと。ぜひそちらにも行ってほしいとのことで、ひとしきり買い物に回った後に訪ねることにしたのです。 それは『静願茶館』といい、お茶を楽しむカフェとベジタリアンのレストランが併設されたお店。商品を届けにLEONA CHENさんもやって来て、オーナーを紹介してくれました。さぞや経営者然とした方かと思いきや、現われたのは小柄で笑顔の優しげな女性です。オーナーのデザインによるという上階の部屋も見せていただき、スタイリッシュなインテリアや調度品に感心しきりでした。実は深せんを訪れてからというもの、この時まで、センスがいいと感じる人、物、事はほぼなく、期待もしていなかったのですが、最後の最後になって出会う事ができたのです。

↑八宝茶とバラのつぼみのお茶、蓮の実あんのゴマ団子



↑店内の様子




↑オーナーのお気に入りの場所でLEONA CHENさんもいっしょに



過去と未来が交錯する地。

今回の旅行で強く感じた事、それは中国人が子どもをとても大切にするという事。一人っ子政策の故もあるのかもしれませんが。LEONA CHENさんは幼い男の子を連れながら仕事をしていましたし、オーナーもその子に優しく接していたのです。空港のロビーで、飛行機の中でも、親ばかりでなくみんなが育てるといった風情で、大人たちの子どもを見守る眼差しがとても温かいことに気づきました。新たな高層マンションがゾクゾクと建設され、人口に見合った無限の発展を思わせる一方、こうした人の心のあり方に、何か昔の、古き良き日本を垣間みたような気がするのです。

※LEONA CHENさんはイングリッシュネームです。